2020年10月28日開講予定

全面オンライン「大堀相馬焼クラフトアカデミー」がスタートします
~焼きものに興味がある方からプロを目指す方まで、伝統を学び、伝える受講者を募集~

福島県浪江町大堀地区に伝わる「大堀相馬焼」。江戸元禄期に誕生し、300余年の歴史を持つ伝統的工芸品です。
ひび割れ、二重焼き、駒の絵などの特徴を有し、町民はもちろん地域のみなさまに広く親しまれてきました。しかし、2011年3月の東日本大震災と原発事故により、20軒以上あった窯元はすべて町外へ避難を余儀なくされました。伝統工芸の後継者不足は以前からの課題ではありましたが、この原発事故で一気に深刻化・加速化してしまったのです。

現在までに10軒あまりの窯元が福島県内各地で窯の再建を果たし、以前の環境とは違う中でも伝統の技を後世に伝えるべく作陶を続けています。でももうあまり時間が残されていません。私たちが故郷を追われてからまもなく10年。いまいちど大堀相馬焼の存在、その歴史と現状を多くの方に知っていただきたい。そして、その独特の技法を学び、作品づくりに生かそうと考える全国の陶芸関係者の方を増やしたい。そんな思いで、このたび私たち大堀相馬焼協同組合は、「大堀相馬焼クラフトアカデミー」を開講することとしました。

なお、このたびのコロナ禍を受けて、全6回の講座はzoomを使用した全面オンライン実施とする判断を下しました。作陶実技をオンラインでお伝えするのは大いなる挑戦ですが、できる限り参加者の皆さんのニーズに沿った指導を目指します。逆に、全面オンラインとしたことで、お住まいの場所に関係なく受講していただくことが可能となりました。この機会に、全国から大堀相馬焼の未来に関心を寄せてくださる皆さまのご参加をお待ちしております。

大堀相馬焼クラフトアカデミー詳細

対象

  • 焼き物の仕事に興味がある方、技術を学びたい方。
  • 大堀相馬焼の技術・技法を改めて学びたい、窯元および陶器業界の方。
  • 大堀相馬焼の歴史や焼き物の基礎知識を学びたい一般の方(カリキュラムのうち「一般可」のコマのみの受講が可能です)。

内容

  • 10月28日より、原則として週1回開講。各回2時間。
  • 一般からプロまで幅広い受講者に対応した内容です。希望する回のみの参加も可能です。
  • 講義は録画しますので、後から何度も視聴可能です。
  • 全6回を修了した方には修了証を発行します。
  • 修了後は大堀相馬焼の窯元などへの就職機会のご紹介も可能です。

講師

大堀相馬焼協同組合 理事長

小野田利治(春山窯)

春山窯(菅原陶器店)の13代目。震災後、福島県いわき市の仮設工房を経て現在、2017年6月に同県本宮市に移転し新たなスタートを切る。大堀相馬焼協同組合理事長として、組合員をまとめる。

大堀相馬焼協同組合 専務理事

山田慎一(錨屋窯)

いかりや商店13代目。震災後、2013年には、白河市大信に作業場を再建。「和風総本家」など各種メディアにも取り上げられる。大堀相馬焼協同組合専務理事として、組合員をまとめる。

職人

根本清巳

大堀相馬焼の産地のろくろ職人として、多くの窯元から仕事を受け産地の技術を伝承していった。東日本大震災後は再開した窯元から成形・絵付けを一手に引き受ける。大堀相馬焼の伝統を絶やさないと2016年に南相馬で工房を構え次の世代に技術を伝承したいと意気込む。

職人

小関俊美

15才で大堀相馬焼の窯元に弟子入り。
当時の厳しい修行を経て、職人の中でも最高の仕事をこなす。
自身が表に出る事は無いものの、現在の窯元も知らない、失われつつあるロクロ技法を継承し、次の世代へと伝える事の出来る最後の職人。

  • 受講料
  • 全6回 無料
  • (令和2年度「伝統的工芸品産業支援補助金」の活用による)

申込みから受講までの流れ

ステップ1
申込みフォームにて申し込み 
※途中参加、部分参加からでも可能です。
ステップ2
予約完了メールを受け取る
ステップ3
前日に参加用ZOOMアドレスURLをお送りします
ステップ4
受講

Q&A

Q1陶芸や大堀相馬焼の窯元を目指さなくても、参加できますか?
A基本的には陶芸家や大堀相馬焼の窯元を目指していただくための講座となっておりますが、それ以外の方でも受講は可能です。
Q2別の産地や窯元であったり、そこへの就業予定でも問題ないでしょうか?
A問題ございません。
Q3年齢制限はありますか?また、学生でも参加可能ですか?
A年齢制限はありません。学生でも参加可能です。
Q4すべての講義を参加する必要がありますか?気になる講義のみ受講したいのです。
A必ずしもすべての講義に参加しなくても問題ございません。ただし、すべての講義を参加した方が理解度が高まると思います。またすべての講義を受講した方には「修了証」を発行いたします。
Q5会場の感染症対策について教えてください。
A会場については、基本的にオンラインで実施する予定ですので、ご安心ください。配信の
現場も感染症対策を徹底し準備を進めております。
Q6オンライン講義はどのようなシステムで実施されますか?
A現在はzoom、YouTubeなどの限定配信システムでの講義を予定しております。
講義の内容によって配信システムを随時変更する場合もございますのでご了承ください。
Q7オンラインでなく現地で受講することは可能でしょうか?
A感染症対策の観点から基本的にオンラインでの受講を推奨しております。